先日実家に泊まっていた時の事、もう寝ようという時に甥のN君が突然「緊張する~」と言ってきました。「どうしたの?」と聞くと「明日空手の試合がある」というのです。
そういえばN君は少し前から空手を始めたようで、実家に行くと時々組み手を披露してくれていました。その空手教室での初めての試合を明日に迎え今緊張しているんだと話してくれました。
カウンセリングを行っていると、この『緊張する』というお悩みをカウンセリングのテーマにされるクライアントさんが多くいらっしゃいます。
「仕事でプレゼンテーションをする時に緊張して上手く話せない」とか「子どもの参観日で自己紹介をしないといけないけど緊張して話そうと思っていた事を一瞬で忘れてしまう」など、緊張する場面や状況はみなさんそれぞれ違いますが、良く聞くお悩みです。そういう時は『緊張する』ことをテーマにお話をしてカウンセリングを進めて行きます。カウンセリングが進んでいくと「緊張しなくなったり」「少しは緊張するけれど、話したいことが話せるようになった」というような変化が起きてきて問題解決に向かわれます。
そこで私は「緊張する~」という甥のN君と話をしました。
私 「緊張するって、何が緊張するの?」
N君「組み手がちゃんとできるかどうかわからないから・・・」
私 「そっか、組み手がちゃんとできるかわからないと思ったら緊張するね。組み手がちゃんとできないとどうなるの?」
N君「試合に負ける」
私 「負けたらどんな気持ちになるの?」
N君「負けたら悲しい」
私 「負けたら悲しいね、悲しくていいよ、負けたら悲しいよ」
そんな話をしながら、「ねえN君、おばちゃんはね、組み手が上手くできなくても、試合に負けてもN君が大好きだよ。どんなN君でも大好きだよ」と言いました。N君は静かにうなずきました。「それからねN君にはね、できる力があるんだよ。組み手ができる力があるんだ、おばちゃん知ってるよ。」そういうと「わかった」と少し嬉しそうでした。
そして「明日勝てそうな気がする」そう言って寝室に入って行きました。
次の日、試合結果は全敗だったようで3人中3位。それでも初めて貰ったメダルと賞状をとても嬉しそうに見せてくれました。「やったー、よくやったね。やっぱりN君には出来る力があるんだね」そういうと、恥ずかしそうに鼻の下を伸ばして、そして力強く頷きました。N君よくやったね、おめでとう。
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