今年もクリスマスの時期がやってきました。街はイルミネーションで輝き、クリスマスソングが聞こえてきます。子どもたちがサンタさんにお願いするプレゼントを考えている姿はとても可愛らしいものです。先日友人と話をしている時に彼女が「子どもたちはいつまでサンタクロースのことを信じてくれるのかな?」と呟いていました。その友人夫婦は、クリスマスイブの夜にご主人がサンタクロースの衣装を着て子どもたちの寝ている枕もとにプレゼントを届けに行くそうです。子どもたちがいつ目を覚ましてもいいようにと思ってそんなことをしていると言っていました。なんて素敵なパパとママだろうと思います。
私が子どもの頃、小学3年生くらいになると同級生の中には「サンタクロースはいないんだよ」なんて言い出す子もいて、そんな話を聞いた私が母にその話をすると「そんなことないよ、サンタさんはいるよ。だってお母さんあんな髭ないでしょ。ソリも持ってないし。サンタさんはいるってそのお友達に教えてあげなさい」と言われたことがあります。
それから年月が経って小学校6年生のクリスマスの日のことです。その頃になると私もサンタクロースは誰なのかわかっていて、でもやっぱりクリスマスの日の朝をワクワクしながら待ちわびていました。その年のクリスマスの朝、目を覚ました私の枕元には何も見当たりません。しばらく色々な所を探して、やっと敷布団の下に硬いものが入っていることに気がつきました。つつみを開けてみると中身は「赤毛のアン」の本でした。もちろん「赤毛のアン」は大好きな本ですが、その時は「私はこの本を何回も読んだことがあってどんなお話か知りつくしている。それなのにどうして今更クリスマスプレゼントがこの本なの!」という気持ちが湧いてきたのです。そのまま本を持って母の所に行き「お母さん、どうしてこれなの!私は何回も読んだことがあるよ」と文句をいいました。
すると母はサラリと「なんのこと?プレゼント?それならお母さんじゃないよ、サンタクロースが持ってきてくれたんだからお母さんに言われてもねぇ、いい本じゃない、良かったね」という返事が返ってきました。そして、次の年からサンタさんからのクリスマスプレゼントは私の所には届かなくなりました。代わりに母が直接「はい、今年のクリスマスプレゼントよ」といって渡してくれるようになりました。
あれから母と直接その時の話はしていません。母に文句を言いながら子ども心に私は「あーあ、サンタクロースはお母さんだって自分で言っちゃた・・・」と少し寂しい、でも少し大人になったような不思議な気持ちになった事を覚えています。だからなのか母も次の年から手渡しでプレゼントをくれるようになったのかもしれません。
サンタクロースが誰なのか知るということは、子どもから大人になっていく一つのステップなのかもしれないなと考えた今年のクリスマスでした。
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