前回SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス(サイト))にアップする子どもの写真を全く知らない他人が悪用するかもしれない、またそれによって子どもが危険に巻き込まれるかもしれないと言うことを考える必要があるのではないだろうかという内容をここで書かせて頂きました。今回も引き続きそのことについて考えてみたいと思います。
私がよく見るSNSにアップされる子どもたちの写真の多くは、子どもが公園で遊んでいる姿や学校の発表会や運動会での一コマ、家族でお出かけした際の一枚です。
その中で時々とても心配になる写真を目にすることがあります。
それは子どもの裸の写真です。幼児が裸で走り回って遊んでいる姿や少年少女の年頃の子どもが入浴している姿、お風呂上りの下着などを身につける前に正面を向いて撮った姿などを目にする時です。子どもが家の中で裸でいる光景は日常にありふれていて、思い出として撮影して、それを家族で見て笑ったり懐かしんだりすることはあると思います。家族の思い出として家族が見る為に撮影する分には全く問題が無いと思っています。しかし、それをSNSにアップされているのを見た時、私は非常に心配になるのです。一つは全く知らないどこの誰かわからない人が見る可能性がる、それを犯罪に使われはしないだろうかという心配です。そしてもう一つ、自分の裸の写真をSNSにアップされることを子ども自身はどう思うのだろうという心配です。たぶん「別になんとも思わない」のだと思います。
なぜ「別になんとも思わない」のかというと、SNSにアップされることの意味が良く分からないということもありますが、一番はその裸の写真をアップしているのは自分の親や近しい大人達だからです。自分の写真を使って親や大人達が周りの人たちとコミュニケーションをとって楽しんでいるのを見ることは子どもにとってみると嬉しいからです。子どもは親がニコニコ楽しそうにしているのがとても嬉しいのです。
大人ならどうでしょうか?お風呂に入っている姿を着替えている姿を勝手に撮られてSNSにアップされたら、私なら怒ります。そういうことをした人のことを信じられないと思うようになります。自分の子どもなら何をしてもいいのでしょうか?そんなはずはありません。子どもは親の所有物ではなく個人としての人権を持つ存在です。子どもの時から、自分の裸の写真が多くの人の目に留まることが普通だったとしたら、その子どものモラルや性に対する感覚は歪んでいくような気がします。自分の体を大切にすることや、相手の気持ちを推し量ること、家の中と外の世界(社会)でしていいことと悪いこと、そういった感覚が鈍るのではないかと思い心配になるのです。そして子どもの事を考える前に、私達大人のモラルや性に関する感覚が鈍っているのではないかということも考えたいことの一つだと私は思っています。
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